テレビCMがオワコンと言われる理由と、今も使われ続ける納得の根拠

テレビCMは本当に時代遅れなのか?デジタル全盛時代に再評価される理由と課題を解説

「若者はテレビを見ない」「今どきの広告はWebとSNSが中心」。このような声が広告業界では当たり前のように語られるようになりました。かつて最強のマスメディアとされてきたテレビCMは、今では「オールドメディア」として扱われがちです。

しかし、テレビCMにはWebやSNSにはない独自の強みがあり、使い方次第では現在でも非常に高い広告効果を発揮することができます。本記事では、テレビCMの課題と可能性、活用事例、そして現代マーケティングにおける新たな位置づけまで、広告実務者の視点から詳しく解説いたします。


1. なぜテレビCMは時代遅れと思われているのか

Z世代の通話

若年層のテレビ離れが進んでいます

近年、スマートフォンや動画配信サービス(YouTube・Netflix・TikTokなど)の普及により、20代以下の若年層はテレビに触れる時間が大幅に減少しています。総務省の調査でも、平日1時間未満しかテレビを見ないという若者が多数を占めるようになりました。

この傾向により、企業の広告戦略もWeb広告やSNS広告に大きく傾き、テレビCMは「ターゲットに届かない広告」として予算が削られるケースが増えています。


2. テレビCMが抱える4つの課題

費用対効果(ROI)の測定が難しい

テレビCM最大の課題は、広告効果を直接的に可視化しづらい点にあります。Web広告であれば、クリック数・コンバージョン数・CVRなどの指標をもとに明確な成果を測定できますが、テレビCMでは主に視聴率やGRP(延べ視聴率)といった「接触可能性」の指標しか用いることができません。

このため、「どれだけ売上に貢献したのか」といった説明責任が求められる場面では、テレビCMは不利になりがちです。

ターゲティング精度が低い

テレビCMは基本的に不特定多数に対して配信されるマスメディアです。番組ジャンルや放送時間帯によってある程度のターゲット層を狙うことはできますが、Web広告のように個人の行動履歴や関心に基づいてセグメントされた配信はできません。

そのため、ニッチな商品や特定の年代・性別・エリアに絞った商材では、広告効率が悪くなってしまう可能性があります。

企画から放映までに時間がかかる

テレビCMは、企画立案、台本制作、撮影、編集、放送局の審査、納品スケジュールの調整など、多くの工程を踏む必要があります。早くても1〜2ヶ月、通常は3ヶ月以上の準備期間が必要となります。

このため、突発的なキャンペーンや短期的なプロモーションには向いておらず、スピード重視のマーケティングには適さない媒体といえます。

制作費・放映費が高額

テレビCMは他の広告手法と比べて、圧倒的にコストが高い傾向にあります。映像制作には数百万円、放映費用は数百万円〜数千万円に達することも珍しくありません。特に、全国ネットのゴールデン帯に放映する場合は、非常に高額な費用が発生します。

一方で、近年ではWeb広告用に制作した動画素材をテレビCM向けに変換・調整することで、制作コストを抑える手法も登場しており、柔軟な活用も可能になってきました。


3. それでもテレビCMが選ばれる理由

シニア層への訴求力が圧倒的

日本では60歳以上の人口が3,600万人を超えており、家計金融資産の約2/3をこの世代が保有しているとされています。シニア層は今もテレビを日常的に視聴しており、WebやSNSと比較して接触頻度が高い媒体です。

そのため、健康食品、保険、医療・介護、住宅リフォームといったシニア向け商品・サービスの広告には、今でもテレビCMが最も有効な媒体の一つとされています。

一度の放送で認知度を一気に高められる

テレビCMは、1回の放映で数百万人にメッセージを届けることができます。とくにプライムタイム(19〜22時)や報道番組など、視聴者の信頼性が高い時間帯に放映されるCMは、企業の信頼感や商品イメージの向上に大きな効果を発揮します。

短期間で認知度を一気に広げたい場合、テレビCMの到達力はWeb広告よりも圧倒的に高いと言えます。

音と映像で感情に訴えることができる

テレビCMは、映像・音声・音楽・キャッチコピー・ナレーションなどを組み合わせて、視聴者の五感に訴えかけることができる数少ない広告手法です。これにより、ブランドイメージや商品の印象を記憶に残しやすくなります。

印象的なメロディやフレーズが消費者の記憶に定着することで、購買行動に結びつく確率も高まります。

単純接触効果で購買意欲が高まります

心理学的に、同じ情報に何度も触れることで好意や信頼感が増す「単純接触効果(ザイオンス効果)」が知られています。テレビCMは同じ時間帯に繰り返し放映されることで、視聴者の記憶に定着しやすくなり、購買の後押しにつながります。

特に、期間限定キャンペーンや新商品の認知・訴求において、この効果は非常に有効です。

SNSやWebとの連携で波及効果が生まれます

近年では、テレビCMをきっかけにSNSで話題になり、バズコンテンツとして拡散される事例も増えています。テレビCMで流れたフレーズがX(旧Twitter)でトレンド入りしたり、YouTubeでCMのロングバージョンが話題になるなど、テレビとWebのクロスメディア戦略が注目されています。

テレビCMを情報拡散の“起点メディア”と位置づけ、Web広告やSNSと連携させることで、さらに高い広告効果が期待できます。


4. 実際の活用事例に学ぶテレビCMの効果的な使い方

認知はテレビ、行動喚起はWebに任せる設計

ある住宅メーカーでは、テレビCMによってブランドの認知度を高めた上で、Web広告やLPを通じて資料請求や来場予約を獲得する戦略を採用しました。その結果、Web広告のクリック単価が下がり、資料請求率が上昇したという成果が得られました。

このように、テレビとWebを役割分担させることで、広告費全体のパフォーマンスが向上します。

地方CMで地域密着のブランディングに成功

九州の食品メーカーが地元テレビ局でエリア限定のCMを展開したところ、放映直後からスーパーでの購買数が急増。店舗担当者の注目を集め、販路拡大のきっかけにもなりました。

この事例では、放映費と制作費を合わせても120万円程度で、費用対効果の高いプロモーションとして高く評価されています。


5. テレビCMを低コストで実施する方法

テレビCMは高額という印象が根強くありますが、近年ではコストを抑えて運用する方法も一般化してきています。

Web用動画を流用する

すでにWeb広告用に制作された動画素材がある場合、それを15秒や30秒に編集し、テレビ放映基準に調整することで、撮影や編集コストを大幅に削減することが可能です。

スポットCMやローカル放送を活用する

全国ネットのゴールデン帯ではなく、地方局やケーブルテレビのスポットCM枠を活用すれば、100万円以下の予算でもテレビCMを実施できます。エリアを限定した商品や地域密着型のサービスでは、むしろローカルCMの方が効果的な場合もあります。


テレビCMは古いではなく「使い方次第」で成果が変わります

テレビCMは確かに、Web広告に比べてターゲティング精度が低く、費用対効果の見えにくさ、制作と放映までの時間、コストの高さといった課題を抱えています。

しかし、シニア層への訴求や、ブランド認知の短期拡大、感情的な印象形成といった領域では、いまだに代替不可能な強みを持つ媒体でもあります。

重要なのは、「古いか新しいか」ではなく、「目的に対して最も適した手段かどうか」です。WebやSNSとテレビCMを戦略的に組み合わせることで、広告全体の効果を最大化することができます。

今こそ、テレビCMの本当の価値を見直し、時代に合わせた使い方を考えるべきタイミングではないでしょうか。

「テレビCMって高いんでしょ?」と思った方へ。
地域放送やスポットCMなら、50万円以下でも実施可能です。
まずは、協同プランニングにご相談ください。

お問い合わせはこちらから

資料請求・ご相談

熊本の総合広告代理店
株式会社協同プランニング

TEL:096-366-2221

FAX:096-366-2223

✉️kyopla@hh.iij4u.or.jp
LINEからもお問合せできます!
友だち追加

Checking...