業種別広告手法の考察:士業編(BtoB)

士業のためのBtoB広告戦略|“いきなり契約”ではなく“信頼構築型”が成果を生む理由

弁護士、税理士、社労士、行政書士――
法人向けサービスを提供する士業にとって、「どうやって新規法人と接点をつくるか」は永遠の課題です。かつては紹介や人脈が主流でしたが、昨今は広告やWebマーケティングを活用した営業手法に移行しつつあります。

しかし多くの士業が抱える悩みは、「広告を出してもすぐに契約につながらない」というもの。
その原因の多くは、**“いきなり契約へ誘導しようとする導線設計”**にあります。

本記事では、士業がBtoB集客を成功させるための広告手法と、成果につなげるための「段階的な信頼構築型導線設計」について、実践的に解説していきます。


なぜ「いきなり契約」は失敗するのか?

士業のサービスは、専門性が高く、料金も高額であるケースが多く、さらに契約すれば継続性が生まれることが一般的です。そのため、依頼主側(法人)にとっては、**「間違いたくない」「よく知らない相手にすぐ頼みたくない」**という心理が働きます。

たとえ広告で魅力的なサービス内容が伝わっても、「この人にお願いして本当に大丈夫か?」という不安が払拭できない限り、問い合わせボタンをクリックすることはありません。

⛔ よくある失敗パターン

  • 検索広告で「税理士 顧問契約」で誘導し、LPですぐに問い合わせを促す

  • バナー広告で「初回相談無料!」とだけ訴求し、信頼構築のステップがない

  • SNSでの投稿が「顧問契約メリット」「成功事例」など一方的

このように、「契約ありき」の導線は、法人にとっては“警戒される広告”になりがちです。


鍵は「信頼構築型」のステップ設計

そこで重要になるのが、「まずは接点をつくる」→「相手の課題を共有する」→「必要であれば提案する」という、段階的な導線設計=“信頼構築型”のアプローチです。

法人向け士業サービスでは、以下のようなステップ設計が効果的です。

  1. Web広告やDMなどで存在を知ってもらう

  2. 無料資料・コラム・事例集で価値提供をしながら信頼を高める

  3. セミナーやウェビナーなどで直接接点を持つ

  4. 個別相談に誘導し、課題をヒアリング

  5. そこから正式な提案・契約へ

たとえば、「助成金の活用法」や「インボイス制度対応チェックリスト」など、法人が“今気になっているトピック”でコンテンツを作成し、それを軸に集客することで、「営業」ではなく「支援」の形で接点が生まれます。


各広告手法を“信頼構築”目線で見直す

1|検索広告(Google・Yahoo!)

検索広告は、顕在層にアプローチできる即効性のある手法です。しかし士業のBtoB領域では、「○○士 顧問契約」のような直球キーワードだけでは競争が激しく、費用対効果が合わないことも多くあります。

そこで有効なのが、“悩みベース”の検索ワードで設計する方法です。

例:

  • 「助成金 社労士 比較」

  • 「残業代トラブル 就業規則 改定」

  • 「税理士切り替え 法人決算 不満」

これらのキーワードでLPに誘導し、「無料資料DL」「制度解説セミナーの案内」などをCTAにすることで、直接契約を迫らず、“次のアクションを選ばせる”構造ができます。

セミナー


2|リターゲティング広告

一度自社サイトに訪問したものの、問い合わせやDLに至らなかった法人担当者に、広告を通じて再度接触するのがリターゲティング広告です。

特に士業の場合、検討期間が長くなる傾向があるため、「忘れられない存在」であることが重要です。

バナー例:

  • 「就業規則の見直しチェックリストを無料で配布中」

  • 「税理士の選び方3つのポイント、失敗例から学ぶ資料」

  • 「インボイス制度×小規模法人向け無料セミナー開催」

クリックされなくても、繰り返しの接触で認知と信頼がじわじわ蓄積されることを目的とします。
リターゲティング広告についてはこちら


3|DM(郵送・FAX)

DMは、「開封されない」というデメリットと同時に、「開封さえされれば、高確率で意思決定層の目に入る」という利点もあります。

士業の場合、「営業っぽくないDM」「封筒入りの冊子や手紙風」が効果的です。

たとえば、以下のような内容で送付するDMは反応が良くなります。

  • 「経営者のための法改正セミナーのご案内」

  • 「顧問税理士に聞きにくい“ホンネの相談会”」

  • 「助成金をもらい逃している中小企業の共通点とは?」

セールスではなく“提案”や“学び”の要素を前面に出すことで、警戒感なく読んでもらえます。


4|テレアポ代行

テレアポは嫌われがちと思われがちですが、「提案」ではなく「お知らせ」「ご案内」のスタンスを徹底すれば、十分に有効な手法です。

特に、以下のようなアプローチは成功率が高まります。

  • 「〇月開催の制度説明セミナーのご案内でお電話いたしました」

  • 「無料の診断コンテンツの郵送希望を伺っています」

  • 「顧問契約でなく、単発相談が増えているという情報提供」

アポが取れたとしても、最初から提案はせず、“課題を聞く場”としての面談を設定することが成約への近道です。


コンテンツ=最強の営業マン

士業が広告で成果を上げるためには、まず“見込み顧客が必要としている情報”を提供することが第一歩です。

たとえば、以下のようなコンテンツが有効です:

  • 法改正に関する実務チェックリスト(PDF)

  • 過去の相談事例を紹介する小冊子

  • 専門家による無料セミナー動画

  • よくある誤解や失敗談をまとめた記事

これらはすべて、「広告からの流入→信頼獲得→相談誘導→契約」という一連の流れを、自然な導線で支える要素になります。


士業の広告は「売らない設計」でこそ成果が出る

電話をする弁護士

最終的に大事なのは、「売り込まない広告設計」です。士業は信頼の商売です。「この人に相談してみたい」「この情報なら信じられそう」という感情を引き出すことで、広告が初めて機能します。

今すぐ契約を迫らず、
まずは知ってもらい、
価値を伝え、
相談され、
ようやく契約される。

このステップを丁寧に構築できるかどうかが、士業広告の成否を分けるカギです。


士業広告のご相談は協同プランニングへ

協同プランニングでは、士業に特化した広告設計・LP制作・セミナー企画・検索広告運用・DM・テレアポ代行などを一気通貫でサポートしています。

「広告を出しても成果が出ない」
「紹介以外で法人顧客を増やしたい」
そんな課題をお持ちの士業の方は、ぜひ一度ご相談ください。

[株式会社協同プランニング お問い合わせ]

TEL:096-366-2221

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