ブランド・AI・動画・データ活用まで――世界の潮流から読み解くマーケティングの今
マーケティングや広告の世界は、変化のスピードが非常に早く、特に海外からの潮流は、国内にも大きな影響を与えています。2025年に入り、注目すべきキーワードは「共感」「AIの実用化」「ショート動画」「信頼性のある情報」、そして「データを活かす広告設計」です。ここでは、海外マーケティングの最新トレンドから、今後の方向性を探ります。
ブランド選びは「価格」より「価値観」へ
Z世代やα世代を中心に、商品の機能や価格だけでなく、企業の姿勢そのものが評価対象になっています。企業がどのような社会的スタンスを取り、どんなメッセージを発信しているのかが、そのままブランドイメージに直結するようになりました。
例えば、環境への配慮、ジェンダー平等、地域貢献といったテーマを、自社のブランド戦略に組み込み、広告やSNSで発信する動きが加速しています。消費者との「価値観の一致」が、選ばれるかどうかの分かれ道になる時代です。
AIは補助ではなく“実務”の中核に
これまでマーケティング領域でのAI活用は補助的な役割でしたが、現在は実務そのものを担う存在へとシフトしています。生成AIを使って広告コピーやビジュアルを自動生成し、さらにユーザーの行動データに基づいて、誰に・いつ・どんな広告を出すかを判断するところまで自動化されています。
たとえば、SNS広告では、A/Bテストを人手で繰り返す代わりに、AIがリアルタイムで成果の高いパターンを見極めて表示内容を最適化する事例も増えています。効率化だけでなく、パフォーマンス改善の観点からも、AI活用はもはや不可欠です。
SEOやコンテンツ戦略に求められる「一次性」と「専門性」
検索エンジンがコンテンツの“中身”を見るようになった今、信頼性のある情報が高く評価されています。特に欧米では、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を満たす情報発信が強く意識されており、体験談や一次情報、専門家の見解が含まれるコンテンツが上位に評価される傾向にあります。
見せかけのSEO対策ではなく、「誰が、どんな経験に基づいて書いたか」が問われる時代。情報の深さと信ぴょう性が、検索順位だけでなく、ユーザーの信頼そのものを左右しています。
「自然な動画」が広告を変えていく
TikTokやYouTube Shortsなどの短尺動画が世界中で浸透し、企業のマーケティングにも大きな影響を与えています。特に特徴的なのは、「広告らしくない広告」が高い成果を出している点です。
作り込みすぎた映像ではなく、ユーザーが日常的に見るような、ラフでリアルな表現が好まれる傾向にあります。加えて、ライブ配信による商品紹介や企業の裏側を見せる企画も、ユーザーとの距離感を縮める有効な手段になっています。
従来の「一方的に伝える広告」から、「共に体験する広告」への転換が進んでいます。
広告配信は「感覚」から「行動データ」へ
効果的な広告を出すには、誰に・どんなタイミングで・どの媒体で伝えるかが重要ですが、それを「経験や勘」で判断する時代は終わりつつあります。代わりに、ユーザーの検索履歴や購買行動などのデータをもとに、最適な広告を出す仕組みが確立されてきました。
中でも注目されているのが、Googleの「カスタマーマッチ(Customer Match)」です。これは、企業が保有する顧客リスト(メールアドレスなど)を使って、該当ユーザーにピンポイントで広告を出したり、そのユーザーと似た傾向を持つ新規層に拡張配信したりできる機能です。データを戦略的に活用することで、広告はより“届くべき人に届く”ものへと進化しています。
小売企業も広告プラットフォーム化する時代
海外では、AmazonやWalmartなどの小売企業が自社内に広告枠を設け、他社ブランドのプロモーションを支援する「リテールメディア」の拡大が進んでいます。これにより、購買直前のユーザーに商品を訴求できるため、広告の費用対効果が非常に高くなると注目されています。
日本でもECモールや大手チェーンによる類似の取り組みが始まっており、広告の主戦場が「メディア」から「売り場」へと移行していく兆しがあります。
世界のマーケティングや広告の最新トレンドは、一見すると先進的すぎるように感じられるかもしれません。しかし、消費者の価値観やテクノロジーの進化を考えれば、これらは“未来の常識”となる可能性が高い要素ばかりです。
日本でも、ただ後追いするのではなく、海外のトレンドを理解し、自社の状況に合わせてどう実践するかという視点が今後ますます重要になります。
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